
【目的別・家族別・地域別】防災道具の選び方ガイド|命を守る備えを始めよう
はじめに
日本に暮らしている私たちは、地震・台風・豪雨・火災など、いつどこで災害が起こってもおかしくない環境にいます。そんな中、命を守る備えとして欠かせないのが「防災グッズ」です。
けれども、防災道具をいざ揃えようとすると――
「何を買えばいいのか分からない」
「家族に合った備え方がわからない」
「持ち出し袋が重すぎて持てない」
という声もよく耳にします。
そこでこの記事では、防災の準備を「目的別」「家族構成別」「地域や季節別」「優先度順」で考える方法をご紹介します。**“自分に合った備え方”**を知ることで、無理なく、そして本当に役立つ準備ができるようになります。
1. 【目的別】何のために備えるかを考えよう
防災グッズは、どの場面で使うかによって中身が異なります。まずは3つの状況に分けて考えてみましょう。
◆ 一時避難(短時間の避難)
地震直後や火災発生時など、すぐに安全な場所へ移動するための避難。
→ 非常用持ち出し袋の準備が基本です。
- 飲料水(500mlペットボトル×3本)
- 非常食(ビスケット、栄養バーなど)
- 懐中電灯、ホイッスル、防災頭巾
- モバイルバッテリー
- 救急セット
- 身分証や現金(小銭含む)
※リュック型で、すぐに背負えるよう玄関付近に置きましょう。
◆ 自宅避難(ライフライン停止を想定)
電気・ガス・水道が止まっても、建物の安全が確保されている場合は、自宅での避難生活を選ぶこともあります。
→ 自宅備蓄の準備が必要です。
- 飲料水(1人1日3リットル×3日〜1週間分)
- インスタント食品、缶詰、レトルトご飯
- 簡易トイレ、バケツ、消臭袋
- ウェットティッシュ、マスク、ティッシュ
- ランタン・懐中電灯・乾電池
- カセットコンロ・ガスボンベ
※トイレ・食事・衛生面の備えがカギになります。
◆ 長期避難・避難所生活
自宅が使えず、避難所などでの生活が数日〜数週間に及ぶ場合。
→ 生活を維持するための道具があると便利です。
- 着替え、タオル、洗面セット
- 寝袋、マット、ブランケット
- スリッパ、耳栓、アイマスク
- モバイルバッテリー(ソーラー対応が◎)
- ラジオ(情報源)、筆記具
- 本・トランプ・ぬりえなど娯楽用品
※避難所は生活空間としての快適さも重要になります。
2. 【優先順位】備える順番を間違えない!
限られた予算やスペースの中で防災用品をそろえるには、優先順位を意識することが大切です。
【最優先】命を守るための道具
- ホイッスル(閉じ込められた時に)
- 防災頭巾/ヘルメット(落下物対策)
- 懐中電灯(停電時の安全確保)
- モバイルバッテリー(情報収集・連絡)
- 飲料水(脱水を防ぐ)
【次点】健康と衛生を保つもの
- 非常食(最低3日分)
- 救急セット(絆創膏・常備薬)
- 簡易トイレ(断水に備えて)
- ウェットティッシュ(手洗いの代用に)
【あると便利】快適さを支えるアイテム
- 携帯ラジオ(正確な情報収集)
- 使い捨てカイロ(寒さ対策)
- 耳栓・アイマスク(避難所での睡眠確保)
- 給水袋、折りたたみバケツ
- 軍手、ビニール袋(作業・収納用)
3. 【家族構成】に合わせた準備も忘れずに
家族に小さな子どもや高齢者、ペットがいる場合は、それぞれに合った物も忘れずに準備しましょう。
◆ 赤ちゃんがいる家庭
- 粉ミルク(スティックタイプが便利)
- 哺乳瓶(使い捨てタイプ)
- 紙おむつ・おしりふき(多めに)
- 着替え・タオル・おくるみ
- 音の少ないおもちゃ(安心材料)
◆ 高齢者がいる家庭
- 常用薬・お薬手帳のコピー
- 補聴器+予備電池
- 入れ歯・老眼鏡・杖
- 防寒具(高齢者は寒さに弱い)
- 安定して座れる椅子や座布団
◆ ペットと暮らしている家庭
- ペットフード・飲料水(3日分以上)
- トイレシート・排泄用品
- ケージ・リード・タオル
- ワクチン証明書・迷子札
※ペット同伴避難を想定し、地域の避難所の受け入れ状況を確認しておきましょう。
4. 【地域や季節】を意識した防災準備
地域や季節によって、必要な備えも大きく変わってきます。
◆ 寒冷地に住んでいる場合
- ダウンジャケット、毛布、寝袋
- カイロ(複数枚)
- アルミブランケット(体温保持)
- 灯油ストーブ(※安全管理に注意)
◆ 湿気が多い・梅雨時期
- 乾燥剤、防カビグッズ
- 替えの靴下、タオル(濡れた衣類は体調を崩す原因に)
- ビニール袋(濡れた物の収納にも)
◆ 夏場・猛暑時の備え
- 冷却シート、ネッククーラー
- 塩タブレット・経口補水液
- 日除けグッズ(帽子・日傘)
- 小型の扇風機(手動やUSB式)
5. 【軽量・コンパクト】がポイント
非常持ち出し袋は、背負って避難することが前提。軽量・多機能な道具を選ぶのがコツです。
おすすめの省スペースグッズ
- 手回しラジオ+ライト+充電器の一体型
→ 1台で3役!省スペースかつ電源不要。 - 圧縮タオル・衣類
→ 水に濡らすと広がる携帯タオルは軽くて便利。 - 折りたたみ式水タンク
→ 使わない時はぺたんこになる収納力。 - エアーマット・エアーピロー
→ 快眠&コンパクトを両立。
6. 【定期点検】で防災袋を「生きた備え」にする
どれだけ立派な防災袋も、中身が古くなっていたら意味がありません。
◆ チェックのポイント
- 食料・飲料水の賞味期限
- モバイルバッテリーの充電状態
- 乾電池の液漏れ
- 衣類のサイズ(成長や季節に応じて)
- 書類内容の更新(住所変更、保険情報など)
→ 月1回の点検を習慣に!
カレンダーにリマインダー登録しておくと安心です。
まとめ|防災は“命をつなぐ日常習慣”
防災道具の準備は、「やる気」よりも「習慣化」がカギです。
一度にすべてそろえなくても構いません。できることから少しずつ始めましょう。
- スーパーで非常食を1つ買う
- 使っていない懐中電灯を防災袋に入れる
- 今日、家族で集合場所を話し合ってみる
たったそれだけでも、次の災害で「助かる側」に回れるかもしれません。
✔ チェックリスト例(基本編)
項目 | ✅準備済み |
---|---|
飲料水(1人1日3L×3日分) | □ |
非常食(缶詰・栄養バー等) | □ |
懐中電灯・電池 | □ |
モバイルバッテリー | □ |
ホイッスル | □ |
救急セット | □ |
簡易トイレ | □ |
ラジオ | □ |
防寒グッズ | □ |
ウェットティッシュ | □ |
今日からできる備えが、命を守る最前線です。
ぜひあなた自身やご家族に合った「防災対策」を始めてください。

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