
【はじめに】
日本は地震、台風、大雨、洪水、土砂災害、津波など、さまざまな自然災害が発生する国です。これらの災害は、私たちの生活を一瞬で大きく変えてしまう可能性があります。大きな被害をもたらす災害が発生したとき、自分や家族の命を守るためには、日ごろからの備えがとても大切です。
中でも重要なのが「防災グッズ」の準備です。食料、水、情報源、明かり、トイレなど、日常生活に欠かせないものが使えなくなったときに、それを一時的にでも補える備えがあるかどうかで、安心感も行動も大きく変わります。
この記事では、災害時に最低限そろえておきたい防災グッズ、選ぶ際のポイント、保管方法までを詳しくご紹介します。
1.防災グッズはなぜ必要?
災害が発生すると、まず起こりうるのが「ライフラインの停止」です。停電、断水、ガスの停止、交通の遮断、物流の混乱など、普段当たり前に使えていたものが急に使えなくなります。これにより、食事や水分補給、トイレ、連絡手段、情報収集、暖房・冷房といった日常の活動が大きく制限されます。
また、行政の支援や支援物資が届くまでには、早くても数時間、地域によっては2〜3日以上かかることもあります。その間、自分と家族の生活を自力で支えるためには、最低限の備えが必要です。
特に大切なのは、災害直後の72時間(3日間)を自力で乗り切る備えです。この期間をどう過ごすかが、生存率や健康状態に大きく関わるため、「防災グッズをそろえること」は決して大げさなことではなく、自分たちの命を守るために必要な現実的な準備なのです。
2.家庭で準備しておきたい防災グッズ一覧
防災グッズには大きく分けて2つの種類があります。
- 避難時に持ち出す「非常持ち出し袋」
- 自宅避難生活に備えた「在宅避難用備蓄品」
それぞれに必要なものを見ていきましょう。
【基本の持ち出しセット(非常持ち出し袋)】
● 飲料水
1人1日3リットルが目安。最低3日分=9リットル/人を準備しましょう。
● 保存食
アルファ米、缶詰、レトルト食品、栄養補助食品など。常温保存可能・調理不要・長期保存可能なものを優先。
● 懐中電灯
LEDタイプの電池式がおすすめ。小型・軽量で、長時間点灯できるものが良い。
● モバイルバッテリー
スマートフォンの充電に必須。ソーラー充電機能付きや手回し式があると安心。
● 携帯ラジオ
停電時に情報を得るために必要。手回しやソーラー付きの多機能タイプが便利。
● 救急セット
絆創膏、ガーゼ、消毒液、常備薬、解熱剤など。持病のある人は必要な薬も忘れずに。
● 簡易トイレ
凝固剤入りタイプが清潔で便利。人数分×数日分を備えておくと安心。
● 現金(小銭含む)
キャッシュレス決済が使えない場合に備え、紙幣+小銭を分けて保管しましょう。
● 貴重品のコピー
健康保険証、身分証明書、通帳、連絡先リストのコピーを防水袋に入れて携帯。
● 雨具・カイロ・軍手・マスク・タオル
衛生と防寒、防風、防災作業のために役立つアイテム。
【在宅避難に備える備蓄品】
● 飲料水
持ち出し用より多めに。人数×3〜7日分(1日3リットル)。
● 食料
缶詰、カップ麺、レトルトご飯、インスタントスープ、クラッカー、ビスケットなど。
● トイレットペーパー・ティッシュ
断水時の衛生管理に必要。
● 生理用品・乳児用品・介護用品
家族構成に応じて必要な量を備蓄。
● ガスコンロ(カセット式)・ガスボンベ
停電時の調理に便利。ボンベは最低6〜9本が目安。
● ラップ・紙皿・紙コップ・割り箸
食器が洗えないときに重宝します。衛生面でも安心。
3.防災グッズ選びのポイント
● 軽量・コンパクトであること
避難時は「命を守る」ことが最優先。荷物が重すぎると動きにくくなるため、軽量・多機能タイプを選ぶと良いです。
● 長期保存が可能なもの
食料・水・電池・医薬品などは賞味期限・使用期限を確認して長持ちするものを選びましょう。
● 家族構成や健康状態に合わせる
乳幼児、高齢者、持病のある人、ペットがいる家庭では、それぞれに必要な物を追加してください。例えば:
- 赤ちゃん用のミルク・哺乳瓶・紙おむつ
- 高齢者用の介護用品・常用薬
- ペット用のフード・ケージ・トイレ用品
● 定期的に見直す
準備していても、使えない・期限が切れていたら意味がありません。半年に1回程度の点検・入れ替えを行いましょう。年末年始や防災週間(9月・3月)を見直しのタイミングにするのもおすすめです。
4.どこに保管すべき?
● 非常持ち出し袋
玄関や寝室の近くなど、すぐに手に取れる場所に保管します。災害時は慌ててしまうこともあるため、目立つ場所・わかりやすい場所に置くのがポイントです。
寝室のベッドのそばに懐中電灯・スリッパ・笛を置いておくと、夜間の地震でも安心です。
● 在宅避難用の備蓄品
押入れ、収納棚、クローゼットなどにジャンル別・使用頻度別に分けて整理保管しましょう。100円ショップのケースや袋を活用して、ラベリングしておくと管理が楽になります。
5.最後に:防災は「自分ごと」として考えよう
「いつか来るかもしれない災害」ではなく、「明日、今日、今この瞬間に起きてもおかしくない災害」として防災を考えることが大切です。災害は決して他人事ではなく、誰にでも等しく降りかかる可能性があります。
準備していなかったことで後悔しないよう、できることから始めましょう。今日、防災リュックを1つ用意する。飲料水を買い足す。防災リストを作ってみる。ほんの小さな一歩で構いません。
その一歩が、あなたと大切な人の命を守る備えとなるのです。
✅ 防災グッズ準備チェックリスト(例)
区分 | チェック項目 |
---|---|
飲料水 | □ 1日3L × 家族人数 × 最低3日分 |
保存食 | □ アルファ米/缶詰/レトルト/インスタント |
懐中電灯・電池 | □ LEDタイプ、予備電池付き |
モバイルバッテリー | □ ソーラー対応/手回し充電式も検討 |
携帯ラジオ | □ 手回し・ソーラー式/イヤホン対応も◎ |
簡易トイレ | □ 凝固剤入り × 家族分 × 数日分 |
救急用品 | □ 常備薬/包帯/絆創膏/消毒液 |
雨具・軍手・カイロ等 | □ 各種取り揃え |
在宅備蓄品 | □ トイレットペーパー/調理器具/紙食器/日用品等 |
防災の第一歩は、「知ること・気づくこと・準備すること」。
まずは、この記事を読んだ今日から、小さな一歩を踏み出してみませんか?

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